「天下に動乱を起こさんとする者、この柳生十兵衛が容赦せぬ」
島原の一揆を前に、幕府と朝廷は互いの思惑を交錯させていた。島原に反乱勢力を集め、一気に鎮圧して盤石の徳川幕藩体制を目指す柳生但馬守宗矩。幕府の権威を失墜させ、朝廷の復権を目論む大納言・円条寺業平と、その叔父の老中・酒井阿波守忠行。大きな歴史の渦に巻き込まれる柳生十兵衛。朝廷は、刺客として十兵衛の兄弟子・荒木又右衛門を送り込む。
【出演】
柳生十兵衛…村上弘明
荒木又右衛門…高嶋政宏
佐山寛平…苅谷俊介
天草四郎…崎本大海
西岡大次郎…高野八誠
柳生又十郎…森岡 豊
由比富士太郎…和泉元彌
円条寺業平…杉本哲太
酒井阿波守忠行…布施 明
柳生但馬守宗矩…夏八木 勲
<壱>
第1回「訣別の剣」
寛永14(1637)年秋、柳生十兵衛は伊賀・藤堂家で、兄弟子・荒木又右衛門と、そのおいの近山藤四郎と再会する。そこに父・但馬守から、江戸へ戻れと連絡が入る。江戸へ戻った十兵衛は、九州・島原が一触即発の状態だと知らされ、一揆に加わろうとする全国の浪人の指導者たちを斬れと命じられる。だがそこには、朝廷と幕府の老中が仕組んだ陰謀が渦巻いていた。
【出演】近山藤四郎…本宮泰風
第2回「涙の剣」
十兵衛が向かったのは美濃。御家取り潰しとなった菅沼家の家臣二百人が浪人となった。その指導者は、鈴鹿真太郎。真太郎は謀反を起こすつもりはなく、浪人たちと未開の山林を切り開いていた。真太郎は先の当主が毒殺されたと信じ、その下手人を探っていた。但馬守は十兵衛に、「真太郎を斬れ」と命じるが、十兵衛は剣士として真太郎の人柄に惹かれていく…。
【出演】鈴鹿真太郎…山口馬木也/きぬ…宮本真希
第3回「望郷の剣」
島原の一揆側に鉄砲が渡らぬよう十兵衛は堺へ来る。松浦屋正左衛門の寮では、鉄砲三千丁の商談が行われていた。十兵衛は、突然松浦屋から呼び出される。その十兵衛を影から和泉次郎丸がにらむ。切支丹の両親をマニラに追放され、生まれた兄・太郎丸とともに幕府を恨み、育った。鉄砲を運び出す現場に十兵衛が現れるが、太郎丸、次郎丸の南蛮剣法が行く手を阻む。
【出演】松浦屋正左衛門…江守 徹/和泉次郎丸…小橋賢児/和泉太郎丸…蓉 崇
第4回「慈父の剣」
出雲松江には六千人の浪人がいた。浪人たちのよりどころは、山賀治右衛門。十兵衛は治右衛門を斬れと命じられていたが、十兵衛に温かく接する治右衛門と妻・ときに、十兵衛の心は揺らぐ。治右衛門の息子は、御用金の使い込みの罪で切腹させられていた。息子を信じる治右衛門は又右衛門から、真犯人の命と引き換えに島原の一揆への参加を迫られる。
【出演】山賀治右衛門…竜 雷太/とき…藤村志保
<弐>
第5回「戒めの剣」
十兵衛は、但馬守の命令に逆らって日向延岡へ。一足早く、又右衛門は有馬家家老・青山外記に島原の一揆への参加を説いていた。しかし外記は、十兵衛から「領主・有馬左衛門佐は切支丹として一揆に参加する以上、一揆後に有馬家は改易される」と言われ…。
【出演】青山外記…榎木孝明/有馬左衛門佐…坂上 忍
第6回「誠の剣」
ついに十兵衛は島原へ。円条寺に騙されたと悟った又右衛門は、十兵衛に二月十二日に発せられる院宣を巡る陰謀の全容を明かす。その知らせを知って驚く但馬守。十兵衛は、松平伊豆守に原城の人々の命を救うよう懇願する。また密かに天草四郎に会い、農民たちを救うよう説得する。さらに、円条寺の居場所を探り出し、十兵衛は剣を交えることに…。
【出演】小林東十郎…勝野 洋